なぜなにユーアリア
アルフレッド 「ユール先生の、なぜなにユーアリア〜!」
ユール 「なんだこのアホな企画は! 俺は答えないぞ!」
戦乙女 「……ならなぜ私も呼ばれているんだ。そいつだけでいいだろう、アルフレッド。」
アルフレッド 「それはもちろん、ユールと戦乙女さんと両方に答えてもらう機会があるからですよ!」
ユール 戦乙女 「「…………。」」
アルフレッド 「いや、あの、……もっと気楽にやりましょう?」
ユーリア 「お兄様っ! 私がいますわ!」
ツルギ 「僭越ながら、僕も参加します。ユーアリアには疎いですが……。」
ハリス 「……英雄なら任せてください。」
アルフレッド 「ユーリアにツルギさん、ハリスまで! あれ、ならウィルフは?」
ハリス 「執務がたまってると……言ってましたよ。」
戦乙女 「それが王だろう。ややこしいことが早く解消されたらいいんだ。」
アルフレッド 「あー! 戦乙女さん、早くも始めたらだめですよ!」

アルフレッド 「なぜなにユーアリア〜、その1!
 ユーアリアってどんな国ですか?」
ユール 「アル……その声はなんだ……。」
戦乙女 「率直で単純明快な質問だな。」
ツルギ 「ユーアリアはリザルテと同じ王政国家と聞いてますが……リザルテより穏健な国家なんですね。」
ユーリア 「基本的に、王様は象徴的な役割だけですわ。だからウィルフ様はこんなにもゆっくりできるのです。」
ツルギ 「政の中心は議会が行っているんですよね? リザルテでもすべきだな……。アグネが楽になる。」
アルフレッド 「やはりそこが新国家ということもあるんでしょう。リザルテの歴史は古いですけど、ユーアリアは80年ほどですから。」
ツルギ 「斬新で革新的ですよね。」
ユーリア 「でも、議会の議長は王族が、決定は王自らが下すことと決まっていますわ。そこはあまり変わっていないのかもしれませんね。」
アルフレッド 「まぁでも、ウィルフはお飾り的だからな〜。」
ツルギ 「なぜあの方が王になられたんですか? 無礼を顧みず言うと、もっと適齢期な方がおられると思いますが……。」
ハリス 「……荒野の戦い以後建国されたこのユーアリアには、王の血を継ぐものに限りがありました。……そのため、王権は王家の血を引く三公家が順番に継ぐことになったのです。」
ツルギ 「リザルテでは絶対的な血筋の元、王権は継がれていきます。今はそれをやめていこうとしていますが……。」
アルフレッド 「濃すぎる血は身を滅ぼしますからね。」
ユール 「濃すぎる血は異物も生むぞ。」
アルフレッド 「ユール!」
ハリス 「……そして今はウィルフォード三世様が継がれているのです。ほかの公家にはもちろんもっと妙齢の方もいますが……。」
アルフレッド 「ユーアリアではあまり歳を召された方を王にあげることはしないのですよ。50の父か20の息子かと言われれば、息子をとるのです。」
ツルギ 「国もシステムも、若い国なんですね。」
ユール 「若けりゃいいってわけじゃないがな。」
戦乙女 「同感だ。」

アルフレッド 「なぜなにユーアリア〜、その2!
 ユーアリアの歴史は?」
戦乙女 「荒野の戦い、これに尽きるだろう!」
アルフレッド 「自信満々ですね〜。でも、荒野の戦いが建国の礎になったことは確かです。」
ユール 「お前のおじいさんが戦った。」
アルフレッド 「そう、そのね。
 荒野の戦い、というのは今からだいたい80年くらい昔に起こった、この首都から北へ行った先にある、文字通りの荒涼の地での一大決戦のことだね。」
ハリス 「……今から100年ほど昔は、このユーアリアの地は群雄割拠の時代だったのです。」
アルフレッド 「今の国の母体となっているユーアリア連合は、主に北西部あたりを長らく支配下においてました。そして、度重なる戦乱の中で徐々に北のユーアリアと南の大国とで情勢が固まってきた。」
ハリス 「……しかし、ユーアリアは徐々に押されていった。」
ユーリア 「そこで、ユーアリアは奥の手を使ったのですわ。」
ユール 「それがあれだ。」
ユール 戦乙女 「「…………。」」
戦乙女 「……アルフレッド、ぶったたいていいか?」
アルフレッド 「俺をですか!? やめてくださいよ! 剣をしまって!」
戦乙女 「……。」
ツルギ 「それで、どうなったんですか?」
アルフレッド 「……ごほん。
 ユーアリアは戦乙女と呼ばれる兵を戦闘に使用しました。そして百戦錬磨の活躍をした戦乙女は、とうとう荒野の戦いに挑むのです。」
ハリス 「……ユーアリア側の圧倒的な不利の中、しかし戦乙女は勝利します。」
ユーリア 「その争い以後、戦乙女は戦場には現れませんでした。しかし、ユーアリアは勢いにのって全土を治めるに至ったのですわ。」
アルフレッド 「これがかの有名な荒野の戦いになります。」
ハリス 「……この戦いだけがこんなにも有名なのは、先輩のおじいさまが書いた、有名な本があるからです。」
アルフレッド 「『戦乙女の真実』ですね。」
ユール 「めちゃくちゃ趣味の本な。」
アルフレッド 「なかなか売れてるんだぞ?」
ユール 「戦乙女バカのバイブルな」
アルフレッド 「ひ、否定できない……。」
戦乙女 「……。」
アルフレッド 「って無言で剣を構えないでくださいよ!!」

ツルギ 「あの……ユールさんはあまり答えてないような気がするんですが……。」
アルフレッド 「ハリスが活躍してるんです、まぁいいじゃないですか!」
ユーリア 「ハリスさんは英雄のことになると目の色が変わるのですよ!」
ユール 「お前の戦乙女と一緒だな。この戦乙女バカめ。」
アルフレッド 「ちっ違うって! いや、否定はできないけどな!」
戦乙女 「……。」
ハリス 「……先輩、後ろ……みた方がいいですよ……?」
アルフレッド 「えっ――ぶおっふぉ!」
ハリス 「あぁあ……。」
ツルギ 「あ、アルフレッドさん!」

アルフレッド 「なぜなにユーアリア〜、その3!
 ユーアリアの見所は?」
ユール 「それは国としてか?」
アルフレッド 「そうです。俺は戦乙女伝説を推す!」
ユール 「戦乙女バカはすっこんでろ! 普通は魔法だとか竜だとかだろうが!」
ユーリア 「世界樹があるという樹海もありますわ。」
ハリス 「……戦国時代の英傑がオススメです。」
ツルギ 「リザルテには魔法や竜は残っていませんね……。やはり北部にあるという、世界樹が関係しているのでしょうか。」
ユール 「ないとは言い切れんだろうな。俺の魔法もそういったところを使っている。」
ツルギ 「……どう使うんですか?」
ユール 「それには答えるか。魔法使いは魔法のことは話さない。」
ツルギ 「……。」
アルフレッド 「まぁ魔法はおいといて、竜だな、竜! 俺のかわいいタマノハの出番だっ!」
タマノハ 「……〜!」
戦乙女 「タマノハっ!」
タマノハ 「!」
戦乙女 「かわいい……。」ぎゅうううううう
タマノハ 「……。」
ユール 「……あれはいいのか?」
アルフレッド 「いいんだ……! かわいいから……!」
ユール 「……あきれたこった。」
ツルギ 「ユーアリアの竜騎士団には驚きました。近衛騎士団が竜騎士なんて、大陸全土を見渡してもないでしょう。」
ユーリア 「なんといってもユーアリアの華! ですものっ!」
ハリス 「……実は簡単に入れますよ。」
ツルギ 「えっ!?」
アルフレッド 「ちょっ、それは禁句! 一応厳正なる審査や審査や審査があってな……。」
ユール 「つまりは無いわけだ。」
アルフレッド 「ある! あるんだよ! 信じてほしいな!」
ハリス 「……でも今は危機に瀕してます。」
ユーリア 「タマノハとあと2頭しか竜舎にいないのよ。お兄様、これからどうするの?」
アルフレッド 「どうするって……現状ではどうもできないな。竜は基本的には懐きにくいから。」
戦乙女 「……かわいい……!」
ユール 「……あれでか?」
アルフレッド 「……あれでだ。」
ユール 「ユーアリアも変わりつつあるということだな……。」


懐かしいものを発見したので再利用。
みんな楽しそうですねw


11・0209





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