|
「なぜなにユーアリア〜、その1!
ユーアリアってどんな国ですか?」
|
|
「アル……その声はなんだ……。」
|
|
「率直で単純明快な質問だな。」
|
|
「ユーアリアはリザルテと同じ王政国家と聞いてますが……リザルテより穏健な国家なんですね。」
|
|
「基本的に、王様は象徴的な役割だけですわ。だからウィルフ様はこんなにもゆっくりできるのです。」
|
|
「政の中心は議会が行っているんですよね? リザルテでもすべきだな……。アグネが楽になる。」
|
|
「やはりそこが新国家ということもあるんでしょう。リザルテの歴史は古いですけど、ユーアリアは80年ほどですから。」
|
|
「斬新で革新的ですよね。」
|
|
「でも、議会の議長は王族が、決定は王自らが下すことと決まっていますわ。そこはあまり変わっていないのかもしれませんね。」
|
|
「まぁでも、ウィルフはお飾り的だからな〜。」
|
|
「なぜあの方が王になられたんですか? 無礼を顧みず言うと、もっと適齢期な方がおられると思いますが……。」
|
|
「……荒野の戦い以後建国されたこのユーアリアには、王の血を継ぐものに限りがありました。……そのため、王権は王家の血を引く三公家が順番に継ぐことになったのです。」
|
|
「リザルテでは絶対的な血筋の元、王権は継がれていきます。今はそれをやめていこうとしていますが……。」
|
|
「濃すぎる血は身を滅ぼしますからね。」
|
|
「濃すぎる血は異物も生むぞ。」
|
|
「ユール!」
|
|
「……そして今はウィルフォード三世様が継がれているのです。ほかの公家にはもちろんもっと妙齢の方もいますが……。」
|
|
「ユーアリアではあまり歳を召された方を王にあげることはしないのですよ。50の父か20の息子かと言われれば、息子をとるのです。」
|
|
「国もシステムも、若い国なんですね。」
|
|
「若けりゃいいってわけじゃないがな。」
|
|
「同感だ。」
|