戦国無双2/お市

香りの記憶

徳永真一郎『新浅井三代記』(文庫版では『浅井長政』)のラスト、
長政様が自刃めされるときの描写がやばくてやばいのですが(語彙力の消失)、
「(前略)ゆっくりと具足を解き、お市の方のたきしめた香の匂う小袖の胸元をひらき、脇腹に短刀を突き刺した。」と。
そんな描き方しなくても…と情緒をめちゃくちゃにされ続けております。

描くにあたって、ではどんな顔をして香をたきしめられたのだろうと。
現代の私はつい辛そうな顔や暗い顔で描いてしまいがちだけども、城を枕にするという決意を尊重しはったのだから、そんな顔ではないのかなと
つとめて無表情よりになるように描きたかった。
最期の最期に、私は城を降ってしまうけれども、私がずっとおそばにおりましたことを伝えたかった。
私という存在で苦しんでしまわせたことが、ついに終わられるのだ。
ご立派にめされますよう…そして、共にできぬ無念を香りに込めたのではないか。
…と思い巡らせまして(重々しいことこの上ない)、そんな絵でございます
そして、香りの記憶はすぐにあの場所へ立ち戻らせてしまう。
この香りをかぐたびに、どうしようもない気持ちになられたのかな…
なんてまぁ、ちょっとオタク気持ち悪い思案をめぐらせておりました。

戦国無双2/お市

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Photoshop CS5・SAI・Procreate
23・0924






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